2013/07/09

Oregon便り(9)~競争意識の違い その4

今回は、日米の競争意識の違いについての、最後の記事UPになります。

ステレオタイプ的なお話もあったかと思いますが、一考察として参考にしていただき、日本の教育について考えるきっかけにしていただけるとうれしいです。

これまで読んでくださってありがとうございました!


その3のつづき



個人的な意見になるかもしれませんが、アメリカでの子どもたちの競争について観察している中で、感じている3つの良さがあります。

まずは、全てのことに様々な選択肢があることです。日本のように大学入試だけでなく、様々な競争が存在していることは、競争することに対しての価値観を広げます。勉強だけでなく、自分の力を発揮できる場、自信を持てる場を得るチャンスがそれだけ多く存在するということです。

次に、その全ての競争が、全ての生徒たちに課せられていない、けれどもすべての生徒たちに与えられたチャンスであるということです。やりたいことがある人はどんどんチャレンジ!やるからには、そのための努力も惜しまない、というスタンスなのです。

3つ目は、先生や保護者が、子どもたちに結果を気にすることよりも、挑戦することを楽しむように励ますことです。日本の多くの子どもたちは、結果を気にするあまり、挑戦すること自体を楽しめないのです。実は、これがアメリカのように日本の子どもたちが競争が好きになれない大きな理由のひとつではないかと思います。

実際、この3つのことが、アメリカに越してきた我が家の娘たちを、ポジティブに変えてくれたのだと感謝しています。彼女たちは、自分のやりたいことをあらためて見つめなおし、新しいことにチャレンジすることを楽しみ、自分たちの生活を楽しむ術を見つけたようです。また彼女たちが新しいことにチャレンジすることを、周りのお友達も先生も、いつも励まし、すばらしい!とほめてくださるので、どんどん調子にのって、いろんなことに果敢にチャレンジするようになりました。

アメリカでは、競争すること=チャレンジするのが楽しい!と知っている子どもにとっては、すばらしいシステムなのだといえます。

 おわり

担当/河合 

2013/07/07

Oregon便り(8)~競争意識の違い その3

日本では梅雨明け宣言が出たようですが、いかがお過ごしですか?

前回、日本の学校では競争を避ける傾向にあるというお話をしました。もうすでにお気づきの方も多いかと思いますが、日本の学校にも厳しい競争がありますよね。今回は、その「競争」についてです。

その2のつづき  

 繰り返しになりますが、それぞれの国の子どもたちにとって、競争意識の違いを考えると良い面と悪い面があります。アメリカでは、競争は楽しく挑戦するもなので「競争社会」というものに日本ほどネガティブな印象はないのですが、あまりにも多くの競争する場があり、子どもたちはプレッシャーとストレスを受けているかもしれません。日本の子どもたちは、競争自体が少なくとも、教室で、自分の得意分野や才能を隠し続けることにストレスを感じているかもしれません。 

そういえば、日本の子どもたちの競争については、ひとつ例外があります。入学試験です。日本の大学進学率は世界でもトップクラス。ほとんどの高校生が大学を目指します。 特に、日本の生徒たちは、良い大学に入るためには、たった1回のチャンスしかないにもかかわらず、かなりの高得点を得なければなりません。良い大学に入ってよい仕事を得ることは、日本の生徒たちにとって、もっとも大変で重要なことです。

そしてその大学の一般入試は、学力テストが大きな比重を持っています。そのため、大学の入学試験に備え、日本の学校では子どもたちにかなり勉強させます。特に高校では、毎日のように小テストがありますし、生徒だけでなく、先生も保護者も試験の結果を重視します。授業も大学入試のための受験対策メインになってきます。

多くの日本の生徒たちにとって、学校の中での唯一の競争といえば、試験で点数をとることになり、勉強ができる!ということが、一番の評価基準になります。アメリカのように多角的に生徒を評価するのではなく、テストで点数がとれるかどうかで評価されるというのも、競争嫌いを生み出す原因のひとつかもしれません。


その4につづく

担当/河合 

2013/07/05

Oregon便り(7)~競争意識の違い その2


真夏日が続いていたポートランドも、ようやくいつもの爽やかで、気持ちの良い毎日に戻りました。

今日は、アメリカの独立記念日です。今夜はあちこちで花火大会があるようです。私もこれから友人家族とちょっと田舎町まで出かけ、 昔ながらのパレードやお祭りを見たり、BBQをしたり、アメリカらしい祝日を楽しんでくる予定です。

さて、前回の続きになりますが、今日は日本の学校の中での競争意識についてです。


(その1の続き)

実力主義のアメリカと違い、日本の子どもたちは、学校で何かに参加するために、オーディションなどを受ける機会があまりありません。

日本の学校(特に公立の学校)は、「公平であること」に重きをおきます。もし学校で劇をやることになれば、先生はすべての生徒に役がいくようにします。たとえば主役が複数いる劇を選んだり、ひとつの主役をなるべく大人数で分けて演じるなどします。また、役決めも、オーディションという形ではなく、話し合いで、場合によっては希望者によるじゃんけんで役が決まります。先生や保護者も、数人の子どもたちだけにスポットライトが当たるようなことは好みません。

もし子どもがとても優秀だったとしても、飛び級することもありません。日本の公立の小中学校には、飛び級制度もなければ、通常は退学させるようなこともありません。(アメリカでは、学力だけではなくいろいろな評価基準がありますが、一定のルール・条件をクリアできない生徒は退学になります。退学となるまでのプロセスも明確で、それまでのカウンセリングなどのケア、また退学後の受け皿もあります。生徒たちは「生徒である」ことの条件を理解し、その責任を果たさなければなりません。)

アメリカの生徒たちはそれぞれの個性を磨き、存在価値を高めあうような空気がありますが、日本の生徒たちは目立つことを嫌い、ごく普通の生徒であるよう、みんなと同じようにふるまいます。まして、仲間と競うことなどはできる限り避けたいと思っています。友達とは、何かを一緒にやる仲間でいることが一番良い状況で、競い合うようなことはしたくないのです。これは、日本のような同質であることを好む社会では、学校に限らずオフィスなどでも良く見られる状況です。

人と違うことをすることを良しとせず、みな同じことをやりたがりますが、お互いを思いやり、とてもよく助け合います。チームワークが得意で、チームのために一生懸命にがんばります。「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために!」は、日本では人気のあるスローガンのひとつです。協調性をもっとも大事にする文化だからです。

個人的な意見としては、競争嫌いを多く生み出す結果になろうとも、子どもたちには、日本人として「和」を尊ぶ心を大切してほしいと思います。ただ日本の教育を見ていると、様々な価値観を認め合い、個性を尊重しあう心が育つ土壌作りももっと必要ではないかと感じています。そうすれば、学校でも、学力だけにこだわらず、個々の良さを引き出し、お互いを高めあうことももっとできるようになるでしょうし、すべての子どもたちが相手を思いやりつつも、自分らしくのびのびと過ごすことができるのではないかと思います。


その3へつづく

担当/河合
 

2013/07/01

Oregon便り(6)~競争意識の違い その1


オレゴンは夏日が続いています。
日本から来ている私たちにとっては、湿度がないので、まだ過ごしやすいと思っているのですが、、、オレゴニアンは、気温が高くなる予想が出た時点で、まずは身構えます。

「明日から暑くなるらしい、なんてこった、どうやってしのぐ?」と騒いでいます。多少の雨ではびくともせず、濡れるのも気にせず歩く人も多いのですが、暑いのは苦手。雨には強く暑さには弱い人たちなのです。(笑)

さて、先日、アメリカと日本の子どもたちの競争意識の違いについて、こちらでリポートする機会がありました。もとが英文なので、たどたどしい日本文になっていたり、また個人的な思い込みも多少入っているかと思いますが、こちらでもご紹介したいと思います。今回を含め、4回にわけてUPします。一考察として読んでいただけるとありがたいです。



「日米の競争意識の違い」



 「競争だとやる気でる~!」アメリカの子どもたちがよく言う言葉です。ところが日本の子どもたちは 「友達と競争するのはいやだ」と言います。

彼らの意識の違いがどこにあるのか、、、それぞれの国の社会システムや文化の違いが、彼らの競争意識に影響しているのではないかと思います。

子どもの競争意識の違いには、それぞれ良い面、マイナスな部分があります。どちらが良いか悪いかというものではなく、(少なくとも私の娘の場合)新しいことに挑戦するために、競争はよいこと!という観点でお話をしたいと思います。

 
  アメリカに引っ越してきてからというもの、ありとあらゆることに競争があり、アメリカ人は人と競うことが好きなんだと感じさせられる場面に多く出くわしました。 

中にはプレッシャーを感じすぎる生徒もいますが、学校の中では、さまざまな競争が存在します。たとえば、クラスで寄付金集めの競争をしたり、年間で一番すばらしい生徒を投票で選んだり、学力テスト以外で順位がつけられることが多くあります。また学校のミュージカルの役を決めるとき、ダンスチームのメンバーになるとき、サッカーのチームに入るときなど、例をあげればきりがないのですが、生徒たちはなにかやろうとする際、常にオーディションやトライアウトを受けます。その度に、子どもたちは盛り上がり、励ましあい、家族も応援体制に入ります。レベルの高いリーディングや数学の授業(TAGと呼ばれている成績優秀な子どもたち向けのプログラムなど)を受ける場合もテストをパスしなければなりません。

そのせいか、アメリカの子どもたちは、早くから、自分が何が好きか、何がやりたいか、そして将来何になりたいかを見つけようとします。

小学生でも、自分は何が好きで得意か、何が嫌いで不得意か、好きで不得意だけどどれだけがんばっているか、といった会話をしています。それはたわいのない話であったりもしますが、自己アピールの場でもあり、お互いを認め合う場になることが多いように思います。

また中学生は、楽しい高校生活を夢見て、自分の道を探そうと懸命です。アメリカでは、勉強以外で得意なこと、活躍できる場があると、周りからの評価が高いということもあるので、勉強以外の興味のあることに参加したいという思いが強いようです。

好きなことを続けるため、自分ががんばれる場所、輝ける場を得るため、彼らは中学生の間に自分のスキルを磨き、テストに備えます。また、オーディションやトライアウト、テストに向けがんばることは、良い生徒として果たすべき責任のひとつだと思っているようです。

それらを受け合格した後は、自分自身に誇りを持ち、さらにがんばり続けるでしょうし、もし合格できなかった場合も、周りの人はみな、彼らが挑戦したことを誇りに思い、次に向け励まします。つまり、合否にかかわらず、挑戦した!ということに、友達も先生も、もちろん家族も拍手喝采、賞賛の声・・・というわけです。

結果として、子どもたちは、一番大事なことは結果ではなく、挑戦することだと信じるようになります。



その2へつづく



担当/河合

2013/05/23

Oregon 便り(5)~ミドルスクール③ 裁判所見学

前回のOregon便りから、2ヶ月も間があいてしまいました。。。

その間、グアム研修、スウェーデン大使館訪問があり、
オレゴン研修の準備も始まりました。今年のオレゴン研修、
参加する子供たち、保護者の皆様の思いをとてもとても大切に、
現在少しずつ、丁寧に、準備を進めさせていただいています。
まだ2ヶ月ちょっとありますが、空港で会う日が待ち遠しくてたまりません。


さて、真夏のような青空が広がっていた先週までとうってかわり、
冷たい雨の日が続いているポートランド。

最近はエレメンタリースクールのボランティア で出かけることが多かったのですが、
今日は、ミドルスクールのボランティアとして、州の裁判所の見学に行ってきました。

学校のボランティア活動に参加するには、身元調査とまではいきませんが、
犯罪歴などがないか、保険の有無などの調査を受けます。
今回は車に子供たちを乗せて行くという作業もあったので、
とても細かなチェックが入りました。
事故や何かあったときに備える部分はしっかりしています。

裁判所ツアーということで、ドレスコードは「きちんとした身なり」。
彼らの通学スタイルであるTシャツ、ジーンズはNG。

学校へ到着。
ほとんどの生徒はスーツにネクタイ、ワンピースにジャケット。
いつもの生徒たちが違って見える!と、驚いたと同時に緊張してしまいました。
そう、普段はとーってもカジュアルなのに、決めるときにはビシッと決めるのです。

保護者ボランティアは、各自で担当している生徒たちを集め、車へ。
事前に細やかな指示の入った資料をいただいているので、
打ち合わせなどもなく、そのまま各自出発。

現地到着。
歴史のある旧・連邦裁判所の建物でレクチャーを受けました。
今は新しい建物で裁判が行われているため、普段は使われていないそうです。
ですが、とても重厚な室内なので、ドラマや映画の撮影で使われることも多いとか。
ところで、アメリカの子供たちは、とてもよく発言、ディスカッションをします。
今日も大変盛り上がりました。(なんてすばらしい・・・と
感嘆のため息をついているのは、日本人の私だけですが。笑)

その後、州の裁判所へ移動。実際の裁判を見学しました。
驚いたのは、民事から刑事まで、ありとあらゆる裁判が
行われているそれぞれの部屋が、一部をのぞいて出入りが自由なこと。
そして、裁判の多い国とはいえ、かなりの数の裁判が、
同時進行で行われていることにも、文化の違いを感じました。

私たちのグループが最初に入った部屋は、民事裁判。
とても多くの人がいて、小さな揉め事を一気に解決するようなものでした。

つづいて入った部屋は刑事裁判で、ちょうど結審されているところでした。
かなりシリアスでヘビーでした。(裁判所内でのことなので、詳細は控えます。)

次もまた刑事裁判。 まるでドラマでも見せられているような流れ。

そして最後は民事裁判。 恐ろしく優秀な女性検察官に惚れ惚れ。

たった2時間ほどの出来事でしたが、あまりにも濃く圧倒されてしまいました。
大人の私でもこの状態です。12~13歳の子供たちはどう感じたのでしょうか。

実はオレゴン州の高校生チームは、Mock Trial(模擬裁判)も含む
市民&憲法の全米大会で、昨年も今年も、No. 1を獲っているのです。

<大会のHP>
http://new.civiced.org/national-finals-2013



そのせいか、ミドルスクールでもとても熱心に勉強しています。
この1ヶ月、とある事件をベースに、かなりの課題をこなしてきました。
毎日のように、検察側、被告弁護側の様々な供述書、死亡診断書などを持ち帰り、
要点をまとめ、それぞれの側にとって有利な点、不利な点を表にし、
自分の意見をまとめる、という作業が続いています。

これから今日の体験を生かし、自分たちのMock Trialに向け、
さらに準備をすすめるようです。

ところで、こちらの学校は6月第2週で終業となり、夏休みに入ります。

5月、高校生は、プロム(卒業パーティー)のシーズンです。
そして、小中学校は、学年末のさまざまなイベントに向け、大忙し。
それぞれの発表会の準備などがピークを迎え、ボランティアも大活躍です。

その組織運営、また保護者のみなさん、一般の方たちの動きに
いつも感心しつつ、勉強させてもらっているのですが、、、
写真を撮る暇がないのです!(泣)

というわけで、今日も読みづらい文章のみで心苦しいのですが、、、
読んでいただき、ありがとうございました。



担当/河合