2012/01/20

京都研修2012 「茶道」

賀茂川の近くにある紫明卯庵。
ひっそりとたたずむこの建物。 る人ぞ知る隠れ家的な料亭です。

子どもたちは緊張した面持ちで、引き戸を開けて中に入りました。
打ち水のまかれた石畳を歩き、玄関へ向かいます。

の入った炉がある2階の茶室で
座をして、田中泰子先生をお待ちします。

田中先生は、まず、これまでのいきさつや思いを話してくれました。
そして「一期一会」と書かれた書を見せてくださいました。

茶道は、総合文化。お客様をおもてなしするために、
掛け軸をかけ、おをいけ、お香をたき、茶をたてる。
すべてはお客様を想う気持ちからというお話もしてくださいました。

この茶室の掛け軸、お花、茶道具の数々・・・
心づくしのお品を目にし、感謝の気持ちでいっぱいになります
一流のものばかりで、ため息が出ます。

「子もたちには、本物を見せたい!」
と先がおっしゃっていたことを思い出しました。

子どもたちがお茶をいただく時間になりました。
男の子も女の子も神妙な顔で正座しています。

やり方をひとつひとつ教わりながら、
お茶菓子(花びら餅)をいただき、順にお茶をいただきました。




「お先にお相伴いたします。」
子どもたちは、口々に「おいしい!」と喜んでいました。
お抹茶も先生が一番良いものをとごくださったのでした。

続いて階下にもどり、昼食をいただきます。
京懐石(点心)をいただきました。
子どもたちには、京都のお雑煮も出されました。




その後、また茶室に戻り、御点前の体験をさせていただきました。
お茶をたてるのが初めてという子どもがほどんどです。




本来はもっと堅苦しい空気になるところ、先生のお計らいで
みんなで楽しくやりましょうとすすめてくださいました。
最初は緊張していましたが、どんどん楽しくなって、
和気あいあいとお茶をたてはじめました

子どもたちがたててくれたお茶をいただき、
ほっこりとした時間を楽しませていただきました。


実は京都研修の前、このプログラム自体、子どもには贅沢、
子どもにはもったいないのでは・・・という声もありました。
ですが、子どもたちに日本人としての誇りをもって
海外で活躍してほしいという願いを共有してくださる先生方が
背中をおしてくださり、実現に至りました。

そして、すべて本物で一番良いものをとご準備くださいました。
日本人らしい身のこなし方、思いやり、心遣いのひとつひとつが、
子どもたちの目に、心に焼きついたと思います。

五感で感じる日本文化の素晴らしさ

という今回のコンセプトに妥協なしで、子どもたちに向き合ってくださった
すべての先生方のお気持ちとお心遣いに、心よりお礼申し上げます。



担当/河合

2012/01/18

京都研修2012 「武(ほこどめ)」

平安神宮近くにある東山堂。
こちらで剣道の防具と竹刀を手作りされている工房を見学させていただきました。













そもそも剣道になじみのない子どもたち。
ずらりとならんだ面や胴、竹刀に圧倒されぎみです。

東山堂の木村隆彦社長のご挨拶のあと、剣道について、
林さんにご説明いただきました。林さんは剣道6の実力者。

いまは、世界中に広がった剣道。
日本の剣道精神、美しさについて語ってくださいました。
相手を敬い、道具を大切にする。礼にはじまり礼に終わる。
勝てばよいというものではないというお話でした。






して、竹刀を手作りでつくられている圷(あくつ)さん
国内で数人しかいない職人さんです。
竹を割る道具や工程を教えていただきました。
一本一本を磨き、同じようにしなりをつけ・・・丁寧な手作業が続きま
1日で34本つくるのが精いっぱいだとおっしゃっていました。

続いて東山堂聖護院店に移動しました。
お店の入り口から見える鎧兜、Cool Japan! の雰囲気に
男の子たちのテンションはあがります。





堂々と並ぶ武道具に目を奪われながら、先ずは刀について、
話をうかがいました。

刀は、気が遠くなるような職人技が
結集されたものであること、刀のそれぞれのパーツで、
それぞれの匠がいる世界だということもはじめて知りました。

いよいよ「武士道精神」について、木村社長にお話を伺います。
そもそ武道の「武」、武士道の「武」は戦うことではなく、
矛を止めるという意味だそうです。

後日、子どもたちの多くが、心に残ったものとしてあげたのが、
ここで教えていただいた7つの武士道精神です。

「義」 「勇」 「仁」 「礼」 「誠」 「名誉」 「忠義」

ひとつひとつ子どもたちに、わかりやすく丁寧に教えてくださいました。

一見、難しいようですが、理論ではなく、昔生きていた日本人が、
そういう思いでがんばっていたという木村社長のお話が、
子どもたちにインパクトをあたえたようです。

子どもたちはこれから歴史を学び、数多くの本や映画で「侍」「武士」の
出会うことでしょう。そのときに、今回教えていただいた話を
きっと思い出し、より深く考え、感じることがあるのではないかと思います。

最後にサプライズ。スイス人の北口ジェシーさんによる尺八の生演奏です。
範でいらっしゃるという北口ジェシーさん

「日本のどもたちに、もっと日本文化に興味を持ってほしい、
触れてほしい、日本はすばらしいのだから!」と熱く語られていました。





本物の武道具に囲まれた特別な空間に、響き渡る尺八の音。
本当にすばらしい時間でした。

自分の生まれ育った日本に、自分の知らない世界があったと驚く子ども。

はじめて知った「武士道精神」から、生きるかっこよさを感じたという子ども。

日本の伝統文化を通して、子どもたちの心に新しい風を起こし、
心と向き合う時間をあたえてくださったことに、心から感謝します。


担当/河合

2012/01/16

京都研修2012 「能」

京都御所近くにある河村能舞台。

一見して、入口は普通の住宅のよう。
門戸をあけ、玄関を抜け、中に入れていただくと、想像以上の空間が広がった中に、
立派な能舞台があります。

「扉をあけたら違う世界という物語みたい!わくわくする!」

子どもたちはその異空間に驚いていました。

講師の河村純子先生は、これまでにたくさんの講座・ワークショップを
されてきたご経験があります。
凛とした美しいお姿に、子どもたちの背筋もぴんとします。

まずは能の世界について、ご説明くださいました。

能舞台にある松は、枯れることのない永遠の命の象徴であること。

竹は、しなやかにまっすぐにのび、芸に向かう姿勢をしめしていること。

次にあるべき梅の花は、台上の舞。舞が華だと考えられていること。

能のお話の多くの主役が幽霊であること、などなど。
知らない世界が少しずつ紐とかれていくようで、先生のお話に惹きこまれていきました。

続いて、「高砂」を先生のご指導のもと、能の調子にあわせ皆で詠いました。
はじめて挑戦するうたは、間のとり方から、調子の上げ下げなど難しいものでしたが、
なんとか最後までうたうことができました。

「普通の歌の声の出し方とちがった」、「今まで出したことのない音程やリズムだったから、
やりながらわからなくなって、自分でびっくりした。」との感想があがりました。

楽器の紹介、体験の後は能の基本的な姿勢、すり足の練習を舞台上でさせていただきました。
能舞台にあげていただくということだけでも、なかなかないことですので緊張しました。

すり足は、今までにない動き方を、はじめて脳から指令を出して体に伝えるようなもので、
さぐりさぐり一歩ずつ出してみるという感じでした。

うたもそうですが、見てるだけ聞いてるだけではわからないことがあることを実感します。

次は能面の紹介をしていただきました。
先生曰く、これはすっきりめのやわらかな般若の面だけれども、見るのがつらい面もあるとのこと。
初心者の私たちには、十分すぎるくらいの恐ろしい般若の面でした。

面の向きで、表情がどんどん変わることも見させていただき、驚きました。
また視野の狭い中での舞手さんたちのご苦労も垣間見ました。




そして美しい衣装の数々。間近で広げ、披露くださる伝統工芸の美しさに
歓声があがりました。

驚きに満ちた能の世界を、いろいろな角度から扉をあけていただき、
のぞかせていただいた、そんな素晴らしい講義でした。

最後に舞を鑑賞させていただきました。能舞台との距離が近いこともありますが、
圧倒的な迫力、息をのむような本物のすごさを体感しました。


















保護者の方の中にも「能」の印象がずいぶん変わったとおっしゃった方もいます。
子どもたちにとってははじめて触れる「能」の世界でしたが、
このような素晴らしい空間で、楽しく教えていただきながら体験できたことで、
一気に興味が広がったようです。

余談になりますが、「能」=退屈 というイメージをお持ちの大人の方や外国の方々にも
ぜひ紹介したいと思いました。


担当/河合

2012/01/15

京都研修2012 新春

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。



さて、GSSでは、年明け早々の1月7~8日に、京都研修を行いました。
京都研修は、日本文化体験プログラムのスペシャル版としての実施を考えています。

日本の街並みの美しさ、古都の雰囲気を子どもたちの目で見、肌で感じてほしい、
本物の日本文化に触れ、日本文化の素晴らしさ、奥深さを体験してもらいたく、企画しました。

プログラム内容は 「能」・「武(ほこどめ)」・「茶道」の3つです。

プログラムの詳しい内容については、このあと、ひとつひとつ
ブログ記事でご報告させていただきます。

まずは、今回ご協力いただいた日本文化の講師の方々に心よりお礼申し上げます。

準備期間は3カ月ほど。その間、子どもたちへの思い、次世代育成の意義について、
熱く語り合いました。なにができるか、なにがよいのかを議論し、ともに考えてくださいました。
本業を抱えながら、ここまでご協力くださった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。

すでに同じ目的で、様々な活動をされている大先輩でもありますので、
毎回の打ち合わせが勉強になりました。本当にありがとうございました。

日本と向き合い、自分と向き合い、胸をはって海外にはばいてほしいという願いを、
今回参加してくれた子どもたちがどう受け止め、吸収してくれたのか、
これからがとても楽しみです。

今回関わってくださった先生方、保護者の皆様とともに見守ってまいりたいと思います。


担当/河合