一見して、入口は普通の住宅のよう。
門戸をあけ、玄関を抜け、中に入れていただくと、想像以上の空間が広がった中に、
立派な能舞台があります。
「扉をあけたら違う世界という物語みたい!わくわくする!」
子どもたちはその異空間に驚いていました。
講師の河村純子先生は、これまでにたくさんの講座・ワークショップを
されてきたご経験があります。
凛とした美しいお姿に、子どもたちの背筋もぴんとします。
まずは能の世界について、ご説明くださいました。
能舞台にある松は、枯れることのない永遠の命の象徴であること。
竹は、しなやかにまっすぐにのび、芸に向かう姿勢をしめしていること。
次にあるべき梅の花は、台上の舞。舞が華だと考えられていること。
能のお話の多くの主役が幽霊であること、などなど。
知らない世界が少しずつ紐とかれていくようで、先生のお話に惹きこまれていきました。
続いて、「高砂」を先生のご指導のもと、能の調子にあわせ皆で詠いました。
はじめて挑戦するうたは、間のとり方から、調子の上げ下げなど難しいものでしたが、
なんとか最後までうたうことができました。
「普通の歌の声の出し方とちがった」、「今まで出したことのない音程やリズムだったから、
やりながらわからなくなって、自分でびっくりした。」との感想があがりました。
楽器の紹介、体験の後は能の基本的な姿勢、すり足の練習を舞台上でさせていただきました。
能舞台にあげていただくということだけでも、なかなかないことですので緊張しました。
すり足は、今までにない動き方を、はじめて脳から指令を出して体に伝えるようなもので、
さぐりさぐり一歩ずつ出してみるという感じでした。
うたもそうですが、見てるだけ聞いてるだけではわからないことがあることを実感します。
次は能面の紹介をしていただきました。
先生曰く、これはすっきりめのやわらかな般若の面だけれども、見るのがつらい面もあるとのこと。
初心者の私たちには、十分すぎるくらいの恐ろしい般若の面でした。
面の向きで、表情がどんどん変わることも見させていただき、驚きました。
また視野の狭い中での舞手さんたちのご苦労も垣間見ました。
そして美しい衣装の数々。間近で広げ、披露くださる伝統工芸の美しさに
歓声があがりました。
驚きに満ちた能の世界を、いろいろな角度から扉をあけていただき、
のぞかせていただいた、そんな素晴らしい講義でした。
最後に舞を鑑賞させていただきました。能舞台との距離が近いこともありますが、
圧倒的な迫力、息をのむような本物のすごさを体感しました。
保護者の方の中にも「能」の印象がずいぶん変わったとおっしゃった方もいます。
子どもたちにとってははじめて触れる「能」の世界でしたが、
このような素晴らしい空間で、楽しく教えていただきながら体験できたことで、
一気に興味が広がったようです。
余談になりますが、「能」=退屈 というイメージをお持ちの大人の方や外国の方々にも
ぜひ紹介したいと思いました。
担当/河合
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